これまでの研究成果『カスケード型濃縮分離法』が『分析化学』誌の総合論文に掲載が決まりました。
詳細は後ほど
高貝慶隆,分析化学(総合論文),in press (2013). “カスケード型高倍率濃縮分離システムの構築と分析化学的応用”
平成24年度に学会・研究会・講演会にて発表した研究成果や活動の一覧です。
【国際会議発表分】
1) Y. Takagai, S. Kodama, M. Furukawa, “Development of Indirect Determination Method of Cellulase Concentration in Environment Using Biodigestion of Metal-Complex Modified Cellulose”, SETAC Asia Pacific 2012 (Kumamoto) 2012.9.24.
2) Y. Takagai, S. Kodama, M. Furukawa, “Inductively Coupled Plasma-Optical Emission Spectrometric Quantifications of Cellulase and its Activity Assay Using Biodigestion of Metal-pigment Complex Modified Cellulose”, Analytical Research Forum 2012 (Durham University, UK) 2012.7.4.
3) Y. Takagai, M. Furukawa, T. Takase, Y. Nagahashi1, O. Shikino, Y. Kameo, “Isotope ratio analysis of 235U and 238U nuclide using a microwave digestion associated with ICP-MS and the soil survey related to Fukushima Daiichi nuclear disaster”, Analytical Research Forum 2012 (Durham University, UK) 2012.7.4.
4) T. Ohtomo, T. Takahashi, S. Igarashi, Y. Takagai, “Flow-injection Spectrophotometric Determination of alpha-Amylase Activity Using the Degradation of Starch-Iodine Complex Coloration”, Flow Chemistry ASIA 2012, (Hotel Royal Queens, Singapore) 2012.10.25-26.
【学会発表・研究会発表】
1) 大友孝郎,高貝慶隆,五十嵐淑郎,鉄‐フタロシアニン錯体を用いる極微量L-チロシンの化学発光検出‐FIAの開発,第72回日本分析化学会討論会(鹿児島,鹿児島大学)2012.5.19
2) 大友孝郎,五十嵐淑郎,高貝慶隆,金属フタロシアニン錯体の化学発光とチロシン分析への応用,平成24年東日本分析若手交流会(茨城,いこいの村涸沼)2012.6.30
3) 古川真,高貝慶隆,ICP-MSを用いた放射性ウランの迅速分析法と東京電力福島第一原子力発電所事故に伴う広域土壌調査,みちのく分析科学シンポジウム 2012(山形大学工学部,米沢)2012.7.21
4) チャン・ティ・フェ,高貝慶隆, “単分散金ナノ粒子を直線配列にコントロールする手法”, 第3回 分析化学セミナー (宇奈月温泉・富山),2012.9.5
5) 松尾晴児,高貝慶隆, “食品・野菜中の残留農薬の高感度分析システムの開発”, 第3回 分析化学セミナー (宇奈月温泉・富山),2012.9.5
6) 大野愛莉,高貝慶隆, “金属イオンを指標とするセルラーゼ活性測定法と既存法との相関性”, 第3回 分析化学セミナー (宇奈月温泉・富山),2012.9.5
7) 清水冴子,高貝慶隆, “セルラーゼ分解反応における代謝物の解明”, 第3回 分析化学セミナー (宇奈月温泉・富山),2012.9.5
8) 大友 孝郎,高貝慶隆, “鉄-フタロシアニン錯体の化学発光反応を用いる栄養補助食品中の微量L-チロシンの消光定量” 第3回分析化学合同セミナー,フィール宇奈月(宇奈月温泉・富山),2012.9.5
9) 高瀬つぎ子,内田守譜, 高貝慶隆, 難波謙二, 大槻勤,村松康行,ウシの体内での放射性セシウムの動的挙動 -汚染飼料を摂取した牛の場合―,第56回放射化学討論会,東京工業大学,2012.10.4
10) 松枝誠,古川真,高貝慶隆,“変異原性物質の吸着除去を志向する化学染料及び機能性セルロースの合成”, For the better forum (六本木ヒルズ・東京),2012.11.16
11) 大野愛莉,小玉賢志,古川真,高貝慶隆,“ICP発光分光分析を用いるセルラーゼの活性測定法” , For the better forum (六本木ヒルズ・東京),2012.11.16
【講演会】
1) 高貝慶隆,“特別講演「高倍率濃縮法の最先端」”, 分析化学セミナー (宇奈月温泉・富山高等専門学校),2011.9.2.
2) 高貝慶隆,“福島大学・東日本大震災総合支援プロジェクト 放射線計測チームの活動について”,第2回放射性物質による土壌汚染セミナー 原子力災害に係わる放射能土壌汚染の基礎から今後の環境回復まで,土壌環境センター主催(四谷区民センター),2012.5.14.
3) 高貝慶隆,“放射性ストロンチウムの迅速分析手法の確立と東京電力福島第一原子力発電所事故に係わる広域土壌モニタリング”, 新化学技術推進協会「第一回新化学技術研究奨励賞受賞講演」,(東京,新化学技術推進協会),2012.5.25
4) 高貝慶隆,“分子機能に基づく濃縮分離システムの構築と分析化学への応用”,第14回機能構造と分析化学シンポジウム,(仙台,東北大学), 2012.7.27.
5) 高貝慶隆,“特別講演「高倍率濃縮法の最先端」”, 第3回 分析化学セミナー (宇奈月温泉・富山),2012.9.5
6) 高貝慶隆,“東京電力福島第一原子力発電所事故に係わる放射能計測と化学分析”,福島地区講演会 日本分析化学会東北支部, いわき市教育委員会,いわき明星大学 ~分析化学による復興への足掛かり~ (いわき明星大学),2012.11.10.
7) 高貝慶隆,“東日本大震災 東京電力福島第一原子力発電所事故にかかわる放射性物質の化学分析”,産業技術連携推進会議 知的基盤部会 分析分科会 (福島グリーンパレス),2012.12.06.
9月24~27日,熊本で開催されましたSETAC Asia Pacific 2012で研究成果を1件発表しました。
Y. Takagai, S. Kodama, M. Furukawa, Development of Indirect Determination Method of Cellulase Concentration in Environment Using Biodigestion of Metal-Complex Modified Cellulose, SETAC Asia Pacific 2012 (Kumamoto) 2012.9.24.
2012年5月25日,高貝先生が公益社団法人 新化学技術推進協会より「第一回新化学技術研究奨励賞」を受賞されました。
それに伴って,受賞講演が東京・新化学技術推進協会にて開催されました。また,5/29付の化学工業日報に記事が掲載されました。
高貝慶隆, 新化学技術推進協会「第一回新化学技術研究奨励賞受賞講演」,“放射性ストロンチウムの迅速分析手法の確立と東京電力福島第一原子力発電所事故に係わる広域土壌モニタリング”(東京,新化学技術推進協会),2012.5.25
化学同人より『検証! 福島第一原発事故 放射性物質の実際と科学者たちの活動の記録』が出版されました。
この本は,福島第一原発事故によって放出された放射性物質が環境へ及ぼした影響,ならびに,事故発生後に科学者たちが福島でどのような活動を展開したかを記載した書籍です。
福島大学の放射線計測チームの活動も掲載されています。
著者 | 化学同人編集部 編 |
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ジャンル | 月刊化学(雑誌) 月刊化学(雑誌) > 別冊化学 |
シリーズ | 月刊『化学』/別冊化学 |
出版年月日 | 2012/03/26 |
雑誌コード | 02330 |
判型・ページ数 | A4変・124ページ |
定価 | 本体952円+税 |
在庫 |
当研究室/パーキンエルマージャパン/日本原子力研究開発機構の共同研究で新しい分析方法を開発して,東日本大震災にともなう東京電力福島第一原子力発電所事故におけるウラン燃料の飛散調査を行いました。この手法は,原子力災害などにおける緊急時の土壌中ウランの同位体比分析法で,核燃料物質としての法的管理が必要なウラン標準溶液を使用せず,標準岩石中に含まれる天然ウランを指標とする新しい分析手法です。
この分析手法を使用して,福島県の広域土壌調査を行いました。土壌調査には,東京電力福島第一原子力発電所から5~80 kmの範囲(福島県下115箇所)の空間放射線量が比較的高い地域でサンプリングを行いました。分析の結果,サンプリングの地域によってウラン総量に差異はあるものの同位体比は,ほぼ一定の天然同位体比であることが確認されました.これらの研究成果および調査結果が,日本分析化学会の『分析化学』誌,2011年12月号に掲載されました(以下の通り)。
本法の確立により,これまでよりも多くの分析機関が土壌調査に参画することができます.本手法が多くの分析機関によって利用され,福島および日本におけるウラン汚染状況の実態把握がなされることを期待します.
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【タイトル】マイクロウェーブ加熱分解/ICP-MS分析による土壌中235U及び238Uの同位体比分析と福島第一原子力発電所事故に係わる広域土壌調査
【著者】 高貝慶隆®1,古川真2,長橋良隆1,高瀬つぎ子1,敷野修2,亀尾裕3
1 福島大学共生システム理工学類
2 (株)パーキンエルマージャパン
3 独立行政法人日本原子力研究開発機構バックエンド推進部門
【要旨】および【本文PDF】はこちら(J-stage)へ
https://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku/60/12/60_12_947/_pdf
マイクロウェーブ分解/ICP-MS分析による土壌中の235U及び238Uの同位体比分析法を開発した.マイクロウェーブ加熱分解では,硝酸-過酸化水素の混酸を用いることで,ケイ酸塩中の天然ウランからの溶解を抑制した.飛散したウラン同位体比を精確に求めるために,岩石標準物質中のウラン同位体比を実試料の同位体比の指標とし,さらに,ICP-MSのセルパス電圧をMSのマスバイアス校正に利用した.これらの効果により,放射能を含む標準線源を使用せずにウランの同位体比を0.37%の精度で測定できた. 235U及び238Uはそれぞれ定量でき,それらの検出下限値はそれぞれ0.010 μg/kgであった.原子力災害などの緊急時において,本法は,従来法である完全酸分解/ICP-MSあるいはα線スペクトロメトリーと比較すると迅速で広範囲の状況把握が可能である.さらに,東京電力福島第一原子力発電所から5~80 kmの範囲(福島県下115箇所:下図(Map)参照)でモニタリング調査を行った.その結果,サンプリングの地域によってウラン総量に差異はあるものの,同位体比はほぼ一定の天然同位体比であることが確認された.
高貝先生が編集・執筆を務めました辞書 『分析化学用語辞典』 がオーム社より出版/販売されました。
分析化学用語辞典 [単行本(ソフトカバー)],社団法人日本分析化学会 (編集),価格: ¥ 8,925
高貝先生が,2011 年度社団法人日本分析化学会奨励賞を受賞しました。
社団法人日本分析化学会は,分析に関する科学,技術,文化の進展,人類の福祉に寄与することを目的として,1952 年に設立された学術団体です。理・工・農・医・歯・薬学などの広い領域で,産官学の研究者・技術者が入会しています。分析化学関連では世界最大の学会であります。
日本分析化学会奨励賞は,若手研究者に与えられる賞で,分析化学に関する研究が独創的であり、将来を期待させる35 歳以下の者に贈呈する賞であります。毎年5 件以内の受賞があり,将来を担う優秀な若手研究者が受賞されるものであります。本年も厳正なる審査のもと5 名が選出され,その内の1 名が,高貝に決定いたしました。9 月14 日(水)~16 日(金)の日本分析化学会第60 年会(名古屋大学東山キャンパス)で,受賞講演(9 月14 日09:45~)及び授賞式(9 月15 日14:30~)が執り行われました。福島民報新聞および福島民友新聞にも記事が掲載されました。
詳細はこちら→ 20_02奨励賞受賞
先の東日本大震災では,様々な方々から お気遣いや励ましのご連絡を頂きまして,本当にありがとうございました。あれから,約7ヶ月が経とうとしています。やっと,ホームページを更新できる余裕が出来てきました。
研究室の被害はほとんどありませんでした。何よりだったのが,研究室の学生ならびにその家族全員の無事が,地震直後ならびに原発の放射性物質拡散時に,すぐに確認できたことでした。ただ,残念ながら,津波や原発問題で実家を離れなければならなくなった者もおりますが,元気に過ごしております。また,研究室(実験室)におきましては,分析機器なども問題なく稼動しておりますし,試薬ビンの落下も最小限で済みました。原発問題由来の心配事は多々ございますが,地震の直接的な被害は微々たる程度です。居室のほうは,カタログ・書籍・壁掛け時計など,様々なもの(化学用品ではないもの)が落下して,足の踏み場も無いほど散らかりましたが,我々にとっての職人道具が無事であったことが何よりです。何はともあれ,様々な方々に色々なご心配をおかけしたことをお詫びするとともに,また,お気遣いをいただきまして本当にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。
分析化学研究室,高貝慶隆
写真:真っ二つに折れた我が家の書棚
研究室見学を随時行っています。実験室や実験器具を見学したい方,さらには,研究室のメンバーと研究室の雰囲気を聞いてみたい方はお気軽に研究室までお越しください。研究室(理工学類棟3階311号室)ドア前に,研究室案内・研究概要のパネルもありますが,一見は百聞にしかずです。
2010.7.28. 高貝先生が,日本学術振興会海外特別研究員(H20年度の化学,[訪問先]: Wake Forest University: ウェイクフォレスト大学(米国 ノースカロライナ州) Prof. Hinze 研究室)から帰国されました。