研究室ブログ/日々の生活・・・
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アメリカ化学会「Langmuir」誌に銀ナノ粒子のin situ合成法に関する論文がハイライト・掲載されました

研究成果が、2022年11月8日のアメリカ化学会「Langmuir」誌に論文掲載され、論文誌のSupplimental Coverに選ばれてハイライトされました。

高貝先生のアメリカ時代の研究と永作美有さん(修士課程修了)の研究成果によるものです。

【著者/論文誌名】Y. Takagai, M. Nagasaku, T. Nakagawa, T. Takase, W. L. Hinze, Langmuir, 38(44), 13577-13583 (2022).

【タイトル】Preparation of Highly Concentrated Uniform-Sized Silver Nanoparticles via Use of Thermoresponsive Zwitterionic Surfactants

【DOI】https://doi.org/10.1021/acs.langmuir.2c02322

【概要】この研究は、ナノ粒子の中でもよく使用される銀ナノ粒子を簡単にそして高濃度で合成する方法を開発したというものです。。

銀イオンの合成には,クエン酸塩還元法という方法がよく使われます。

しかし,このプロセスは結晶成長が遅く、粒子のサイズが揃った粒子を合成しにくいという問題がありました。

この論文では,クエン酸還元法に熱応答性の界面活性剤を加えると,高濃度で粒子サイズが揃った球状の銀ナノ粒子を合成できることを紹介しました。

合成した銀ナノ粒子は,界面活性剤の濃縮相に閉じ込めることができます。

このアプローチは、銀ナノ粒子を合成と同時に「抽出」と「濃縮」ができる「in situ相分離」を経る珍しい現象です。

直径 21.0 ± 2.5 nm の AgNPs のほぼ全量(合成収率 99.9%、抽出効率 98.6%)を pH 11の特殊な条件で相分離するとこのような現象がしょうじます。

このメカニズムや粒子の制御方法などを論文で記載しています。

 

 

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R4年度 放射線取扱主任者:第一種試験4名,第二種試験2名=延べ6名合格

2022年11月9日にR4年度の国家試験である「放射線取扱主任者試験」の合格者が官報で報告されました。

国家資格である「第1種放射線取扱主任者」ならびに「第2種放射線取扱主任者」に高貝研究室のメンバー5名(うち1名が両方合格)が合格しました。

第一種試験は,令和4年8月24日~26日に実施され,東京会場 で受験しました。

令和4年度の第一種放射線取扱主任者試験は、受験者数 3,097名 合格者数 896名 合格率 28.9%でした。

一方,第2種は、受験者数 1,534名 合格者数 316名 合格率 20.6%でした。

おめでとうございます。

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Springer「Analytical Sciences」誌でHot Article(注目論文)に選出→「O₂-CO₂混合ガスによる放射性ヨウ素のICP-MS/MS分析」

松枝誠さん(博士後期課程3年)の研究成果が、2022年11月号のSpringer「Analytical Sciences」誌に論文が掲載されました。

また,2023年11月号のHot Article(注目論文)に選ばれました。

 

【著者/論文誌名】M. Matsueda, J. Aoki, K. Koarai, M. Terashima, Y. Takagai*, Analytical Sciences, 38, 1371-1376 (2022).

【タイトル】Mass-spectrometric determination of iodine-129 using O2-CO2 mixed-gas reaction in inductively coupled plasma tandem quadrupole mass spectrometry. 

【DOI】https://doi.org/10.1007/s44211-022-00180-w

【概要】放射性のヨウ素129(¹²⁹I)は、半減期が約1600万年と非常に長い人工の放射性核種です。その一方で、原子力災害(例えば、原子力発電所事故や隣国の核実験)で放出され、甲状腺ガンを誘発する放射性ヨウ素131(¹³¹I)の半減期はわずか8日しかありません。そのため、災害や事故の原因を究明したり、環境にどのように飛散したかを数年後に追跡調査することは極めて難しいです。その問題を回避するため,半減期の短い¹³¹Iの代わりに半減期の長い¹²⁹Iが測定できれば、事故時の当時の状況や現在の環境への負荷の状況が分かります。しかし、環境中の¹²⁹Iの存在濃度は非常に低いので、これを分析するためには100リットル近くの試料水を濃縮して,分析機器で計測できる濃度範囲まで濃度を濃くする必要があります。

ところが,濃縮を行うと、分析ターゲットの¹²⁹Iだけでなく、元々環境にある(放射線を出さない)安定同位体の¹²⁷Iも同じヨウ素で化学的性質が一緒(=同じ元素)なので,一緒に濃縮されてしまいます。つまり、大量の¹²⁷Iの中に、ごくわずかなの¹²⁹Iがほんの少しあるという状況になります。このような状況を「¹²⁹I/¹²⁷I比が低い」と呼びます。

その一方で,誘導結合プラズマタンデム型質量分析計(ICP-MS/MS)で¹²⁹Iを測定すると、測定を妨害する核種が多く、さらには、ピークテーリングという現象があり(=m/z 127のイオンが大量にありすぎて, m/z 129にまで影響を及ぼして何を分析しているのか訳が分からなくなる現象のこと)、低い¹²⁹I/¹²⁷I比を計測することは困難でした。

今回,ICP-MS/MS分析装置のリアクションセルと呼ぶ機構に酸素と二酸化炭素の混合ガスを導入すると、非常に低い¹²⁹I/¹²⁷I比まで計測できることを発見しました。市販のICP-MS/MSでここまで非常に低い¹²⁹I/¹²⁷I比を計測できることはほとんどなく,これが評価されて論文掲載に至ったというものです。

This paper presents a mass-spectrometric method for determining the radionuclide iodine-129 (129I) from the significant amount of interference in inductively coupled plasma tandem quadrupole mass spectrometry (ICP–MS/MS) using a dynamic reaction cell passing a mixture gas of O2 and CO2. Thus far, mass spectrometry analysis of trace amounts of 129I has been hampered by the presence of xenon-129 (129Xe) and the formation of polyatomic ions from excess amounts of stable isotope 127I. In this study, flowing a mixture gas of O2 and CO2 into the dynamic reaction cell (Q2) successfully removed both 129Xe interference and polyatomic interference (127IH2) in the analysis of 129I in ICP–MS/MS. The resulting ratio of (background noise of m/z 129)/127I was 4.6 × 10–10 ± 3.3 × 10–10, which enables the analysis of 10 mBq/L of 129I in the presence of 100 mg/L of stable 127I without chemical separation. The detection limit of this method was 0.73 mBq/L (= 0.11 ng/L) with an APEX-Q sample inlet desolvation device. For demonstration purposes, spike and recovery analysis of rainwater was performed, and good agreement between the spiked and recovered amounts was achieved.

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高貝先生の誕生日 2022

2022.11.02

皆さんこんにちは、以前高貝先生に右肩と左肩が平行でないといわれてから姿勢が気になり始めたMWです。

研究室の最重要の日 ⇒ 高貝先生の誕生日がやってまいりました!

10月に3年生が加わり歓迎会がありと最近の研究室ではイベントごとが盛りだくさんです。

ささやかながら高貝研究室のメンバーでお祝いです。

今年のケーキは一部がハロウィン仕様で、少し遅めのハロウィンも楽しめました。

   ←高貝先生による恐ろしく早い手刀

プレゼントは高貝先生が欲しいと耳にした姿勢矯正ベルト。

高貝先生が出張に行くためスーツのため,残念ながら装着姿は見ることができず…。

もしかしたら、普段の服の下に着けてくださる日があるのでしょうか?

高貝先生は十分に姿勢正しいと思うので、もし着けていても普段との違いに気づけるか心配です…

次の日からは高貝先生に要注目ですね。

以上、高貝先生の誕生日会でした。

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歓迎会

2022.10.28

皆さんこんにちはMWです!

10月28日にいろんな歓迎会を行いました。

「3年生 4名」および「タイからの短期滞在研究員1名」および「大学院から高貝研究室に入った いわしサン」です。

もっと言えば,4年生もM1も歓迎会をしていないので,みんな歓迎会です。

場所は四季の里 アサヒビール園です!貸切送迎バスです。金谷川までようこそです。

遂に行われた4年生以下は初めての研究室での飲み会!

今回はそんな歓迎会の楽し気な様子を少し紹介します。

 

高貝先生による音頭でスタートされました。

みんな,高貝研にようこそ!!(遂に歓迎。笑)

最初の乾杯はやはり黒ビール!!

ジンギスカンとしゃぶしゃぶ! エンドレスでジンギスカン&しゃぶしゃぶ!

MWは初ラム肉(牛より好みかも)。肉は飲み物です。

 

どの席でも盛り上がっており楽しそうですね。

 

ポルコちゃんはピーマンが好きらしい。ピーマンを大盛注文,ひたすらにピーマンをBake & Ate(⇒過去形・完食)。

ピーマン6個分は完食。これでは緑になってしまいます。

 

あっという間にTime overの時間です。送迎バスに揺られて帰宅です。

初めての研究室での飲み会,とても楽しい時間を過ごせました!

また,研究室でどこかに行くのが楽しみですね。

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pHメータ講習会

2022年10月26日

市長です。2022年10月26日pHメータ講習会が開催されました。

pHメータでお馴染みの堀場さんに説明していただきました。

講習はpHメータの使い方や仕組みなどについて、後半は実際の測定です。

予想値と実測値が合っていればプレゼントがもらえるというオマケつき。

今後、身の回りのものに注意しながら化学を学ぶとオマケがもらえます。

 

↓ 皆さん、楽しそうな顔です。

       

今年の三年生たちも、真面目に学んでいます。

    

pHメータの使い方や測定スキルなどを身につきパワーアップです。。

 

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喜びのお知らせ~結婚式編~

2022.10.22

みなさまこんにちは。TMOです。

2022年10月22日,当研究室の卒業生,絶対的エースであるS少年さんと絶対的シンボルであるRまるさんの結婚式が行われました。

イエーイ!!ヒューヒュー!!

お2人はわたくしがB3だった若かりし日のM2の先輩でしたので,お呼ばれされてとてもうれしかったです。

当時から顔がよく似ているお2人でしたが,新婚生活を経てより一層似ている度合が増していました。

とっても幸せそうです。

 

結婚式に初めてお呼ばれされたTMOは,最近の結婚式はこんなにも新しいのかと感激しました!

(初めてですが。)

   

 

笑いあり涙ありの披露宴は,非常にあたたかいものでした。

お2人のご親族・ご友人みんなでお祝いする特別な空間は,とてもいいものだなあとしみじみ思いましたし,

参列者を楽しませる工夫がたくさんありました。

 

上司の方からのお祝いのメッセージは,S少年さんとRまるさんの最近のご様子が知れました。

研究室に所属していた当時もバリバリ活躍されていたお2人ですが,現在もその躍進はご健在のようです。

 

その後,我らが高貝先生から乾杯のご挨拶がありました。

幾多のスピーチ経験を乗り越えてきた先生のトーク力は,さすがとしか言いようがありません。

「乾杯!」の声が大きくてわたくしはほんの少しだけびびってしまいましたが,気持ちよくご会食がスタートされました。

 

語りだすとエピソードはまだまだ尽きません。

Rまるさんの予期せぬブーケトス,披露宴前に粛々と行われた高貝研首脳会談,じゃんけんチャンピオンIはしさんなどなど…

 

  

 

もっと気になる方は,S少年さんとRまるさん,高貝先生,先輩方またはTMOまでお問い合わせください。

S少年さんとRまるさん,お幸せにお過ごしください!

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中性子小角散乱実験@JAEA(茨城・東海村)

はじめまして!

ブログ初投稿になります,いわしと申します。

 

秋と言えばスポーツの秋や読書の秋など様々な秋がありますね。みなさんはどんな秋をお過ごしでしょうか?

さて,今回は実験の秋ということで,茨城県東海村の日本原子力開発機構にて10月13日から10月15日までの3日間にわたりSANS-JⅡという集光型偏極中性子超小角散乱装置を利用させていただき実験をしてきました!

 

今回は高貝先生,Npさん,TMOさん,もんじゃくん,私の5人で利用させていただきました!(SANS組ですね)

 

中性子小角散乱とは,中性子が物質に当たった時の散乱のされ方を調べることで,その物質内部の構造を解析することができます。

名前の通り小さい角度に出た散乱を測定するのですが,なんと検出器が最大で10 mとかなり大きいです!小さい角度の散乱は近いところではどれも同じ角度とみなされてしまうため大きくなっているようです。(初日はその大きさに驚いていましたが二日目には慣れてしまいました…)

写真の奥にも装置があります…

 

今回の実験では私は主に解析や器具の洗浄をお手伝いしました。実験は長丁場で大変な場面を多くありましたが,なんとかみんなで協力し測定を終えることができました!

この写真では解析と試料の準備をしていますね。

 

利用する機会が限られる装置でしたので,大変貴重な経験となりました!

次回がありましたら,今回の学んだことを活かしてより良いデータを取りたいです!

 

いわし

 

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福島廃炉研究国際会議FDR2022@J-ヴィレッジで研究成果を発表しました

2022年10月16日、福島県楢葉町のJ-ヴィレッジで開催されました福島廃炉研究国際会議/International Topical Workshop on Fukushima Decommissioning Research 2022 (FDR2022)で博士課程の柳澤華代さんが研究成果を発表しました。

【口頭発表】

・K. Yanagisawa, M. Furukawa, T. Hirata, Y. Takagai, “Quantitative Imaging of Radioactive Sr-90 Using Laser Ablation-Inductively Coupled Plasma-Mass Spectrometry”

Jヴィレッジ内のレストランでサッカー場を見ながら,お昼ご飯 ↓

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放射化学会第66回討論会@東京大学

皆さんこんにちは,GSWです。
初めてブログ執筆を担当することになり緊張しております…。

さて,今回は2022年9月15日~17日に開催された放射化学会第66回討論会(東京大学本郷キャンパス)のレポートです。

高貝研からは,私とNpさんがポスター発表,高貝先生が招待講演を行いました。

     

ありがたいことに,16日のポスター発表にはF川さんと日本分析化学会帰りのKIMさんも聴講に来てくれました。
久しぶりのポスター発表で緊張しましたが,1時間では足りないくらい議論が白熱し,大いに刺激を受けました。
Npさんも大御所の先生方に臆せず,質疑応答していたというウワサです。

あっという間だったポスター発表が終わり,マグロの中落ちを貪るNpさん。目がこわい…。

     

翌日17日の早朝は,高貝先生・KIMさんとともに神田明神と湯島天満宮をお参りしました。
私が漠然と「あたまがよくなりますように」とお願いしていたところ,
高貝先生は「予算が取れますように」と非常に具体的なお願いをしていました。
お願いする前に日頃の感謝を伝えるのがコツなのだそうです。

少し早めの昼食は東大中央食堂の名物「赤門ラーメン」。
見た目よりも辛さ控えめ,キムチテイストのあんかけラーメンという感じで,美味!
ただし,スーツの方はあんかけのハネにご注意ください。
私とKIMさんはブラウスにシミをつけてしまい,しばし意気消沈でした…。

午後は平田岳史先生の研究室見学のため,東京大学理学部化学東館へ。
東大本郷キャンパス最古の建物にある最先端の分析装置とは…?
こちらについては別記事でレポートしますのでご期待ください。

GSW

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研究室訪問:東大院理/地殻化学実験施設

皆さんこんにちは,GSWです。
さて,今回は研究室訪問のレポートです。

2022年9月17日,放射化学会第66回討論会の合間に,東京大学大学院理学系研究科 平田岳史先生の研究室に伺いました。
平田先生の研究グループでは,隕石や岩石に含まれる極微量元素の同位体分析を通じて,試料の起源や形成過程,年代の推定を行っています。
また近年は,生体中微量金属元素と生命現象との関わりについて解明する学問領域(メタロミクス)への応用も進められています。
これらの研究を支援する基盤技術として,平田先生らは質量分析法やレーザーアブレーション装置の開発にも積極的に携わっており,今回の研究室訪問では,研究に使用している最先端の分析装置の数々をご紹介頂きました。

平田先生の研究室がある化学東棟は東大本郷キャンパス最古の建物だそうで,竣工はなんと1916年。
関東大震災や東京大空襲を乗り越えた,100年以上の歴史がある建物なのです。
建物内に入ると,ところどころにクラシックな装飾に施されており,同行のKIMさんも「おしゃれ~!」と感嘆の声をあげていました。
まずは平田先生に福島のお土産(ゆべしラングドシャ)をお渡しして,その後は実験室へ。

ナノ粒子を分析中の学生さんとともにicpTOF(TOFWERK)の前にて。
撮影下手な私を見かねて,平田先生がかっこいい画角で撮って下さいました。
こちらの部屋にはFFFが2機種あり,それぞれの原理と特徴について教えて頂きました。

     

研究室で最も稼働しているという,Nu Plasma 2(Nu Instruments)を挟んでディスカッションする平田先生と高貝先生。
高速多点アブレーションが可能なJupiter(ThermoFisher)と併せて使うことが多いとのことで,Npさんも興味深々です。
周辺には自作のアブレーションセルがいくつもあり,日々改良を続けている様子が伺えました。

     

有機化合物イメージングのためのイオン源(この日は故障中)とレーザーアブレーション装置は自作。
接続されているのはSelexION(AB SCIEX)です。

これから稼働予定のIRIDIA(CETAC)は,vitesse(Nu Instruments)と接続するつもりとのこと。
この日はユーザートレーニングの真っ最中で,CETACの技術者が英語でレクを行っていました。
元素イメージングにかかる時間が従来よりも100倍速くなり,しかも全元素モニタリング可能ということで,「バケモノ」(平田先生談)のような性能を発揮してくれそうです。

実験室奥にある平田先生お気に入りの作業スペース。
真上には陽圧管理のための巨大なファン,すぐ後ろにはNeptune(ThermoFisher)がどっしり構えており,適度な閉鎖感が秘密基地っぽさを醸し出しています。

精密同位体分析をするためか,ホコリが装置周辺に滞留しないよう室内は陽圧状態に保たれており,実験室へ入室するときはスリッパへ履き替えるなど,コンタミ管理は高貝研よりも少しストイックです。
こういった文化の違いを体感できるのも研究室訪問のおもしろさですね。

質量分析装置とレーザーアブレーション装置の見本市のような研究室で,自作のレーザーアブレーション装置がまだまだたくさんありました。
いずれの装置も野心的な設計で,「分析化学が主役になる」という平田先生の言葉が反映されているように感じました。

平田先生,この度は見学を受け入れてくださりありがとうございました。
いつかこのようなすごい装置たちを扱えるよう,さらに精進したいと思います。

GSW

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日本放射化学会第66回討論会で研究成果を発表しました

2022年9月15日-17日、東京大学本郷キャンパスにおいて開催されました日本放射化学会第66回討論会で博士課程の大学院生1名および客員研究員1名が研究成果を発表しました。

また、高貝先生は、招待講演を行いました。

【招待講演】

・高貝慶隆, 柳澤華代, 青木譲, 古川真, “Sr-90の質量分析のフロンティア ~微小・微量・イメージング~”

【ポスター発表】

・柳澤華代, 松枝 誠, 古川 真, 平田 岳史, 高貝 慶隆, “レーザーアブレーション-ICP質量分析による90Srのマイクロスケールイメージング”

・中川 太一, 鈴木 怜花, 松枝 誠, 寺島 元基, 堀田 拓摩, 岡 壽崇, 北辻 章浩, 高貝 慶隆, “放射性微粒子のフッ素系界面活性剤のpH依存相分離現象に基づく均一液液抽出”

 

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日本分析化学会第71年会(@岡山大学)で研究成果を発表し、優秀ポスター賞を受賞しました

2022年9月14日-16日、岡山大学において開催された日本分析化学会第71年会で大学院生4名が研究成果を発表しました。

そして,木村梨子さんが優秀ポスター賞を受賞しました(発表144件中20件)。

【口頭発表】

・深谷夏希,山口克彦,高貝慶隆,“フーリエ変換によるフローインジェクション分析法の高感度化:流路内反応・多流路系への適用”

【ポスター発表】

・鈴木怜花,中川太一,松枝誠,寺島元基,高瀬つぎ子,高貝 慶隆,“粉砕機による金属ナノコロイド分散液の調製とTEM観察容易化のためのマイクロ液相への封入技術”

・齋藤文加,尾形祐輔,柳澤華代,松枝誠,大沼知沙,高貝 慶隆,“二元共重合体マイクロポリマーに対する金(III)イオンの優先的吸着および化学的脱離”

※展望とトピックスに掲載されました 展望とトピックス抜粋

・木村梨子,佐藤常寿,高貝慶隆,“トリチウム水のアルギン酸ゲルへの移行現象と塩の影響”

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高貝先生が文部科学大臣賞(工学教育賞)を受賞しました

高貝先生が第26回(2021年度)文部科学大臣賞(工学教育賞)を受賞しました。

高貝先生としては,科学技術分野の文部科学大臣表彰(令和2年度)に続き,2度目の文部科学大臣からの表彰となりました。

今回,対象となった受賞内容は「理工学的専門教育と福島の地域課題に向き合う放射線教育の相乗効果による次世代人材育成プログラム」です。

授賞式が,2022年9月7日(水)に日本大学理工学部(東京)にて行われ、2022年9月8日(木)16時より福島大学にて記者会見が行われました。

受賞名:文部科学大臣賞
標題:理工学的専門教育と福島の地域課題に向き合う放射線教育の相乗効果による次世代人材育成プログラム
受賞者名:高貝慶隆,山口克彦

 

 

 

 

 

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JASIS 2022

2022年9月7日

皆さんお久しぶりです。MWです。

 

9月7~9日に幕張メッセで開催されたJASIS 2022に参加してきました!

JASISのことは,先輩方からウワサを聞いており今回の参加はワクワクしながら行ってきました。

田舎者なので幕張メッセに着けるか不安でしたが,しっかり者のもんじゃくんがいますので安心です。

もんじゃくんは保護者です…(いつもありがとう!!)

 

会場に到着してまずは堀場製作所のブースへ。

↓  案内と解説をしていただきました。

昔のpHメーターの展示もありました。最初はpHメーターだと分からず,最新型までの進化に驚愕!

     ←通りすがりの人が「懐かしっ!!」と声がでるほどのpHメーター

 

展示されている新製品はオシャレで,最近では装置の外観にもこだわっているとのこと。

なかには,有名車(車名は忘れてしまいました)のデザイナーが手掛けた装置もあり,装置の性能だけでなく外見の進化も感じました。

ピンク色のファンシーな見た目の装置もありましたが,研究室にあったらとても浮きそうですね…(笑)

最新の装置や普段見かけない装置など様々なものを見て聞いて勉強することができとても充実した1日となりました!

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ラマン測定@日本大学工学部

2022.9.5

 

皆さんこんにちは!KIMです。

さて,遡ること1か月前の9/5に,日本大学工学部でラマン分光装置を用いて測定させていただきました。

近いようで遠い郡山…同じ福島県にある大学ですが,なかなか伺う機会が無く,日本大学は初上陸でした。

こちらがラマン分光装置です。

高貝研にはない装置なので貴重な経験でした。

お昼には学食に行ってまいりました!

日大のガラス張りの学食の外観とは似合わないような唐揚げ定食を食べました。

ただ,福島大学のご飯の量よりも若干多いような感じが…?

(工学部だけのキャンパスだけだから…?)

 

辺りを見渡しても男性が多く,近年女性が多い高貝研ではない光景でした。

先生曰く,物理工学科や電気工学となるともっと女性が少ないようです。

「リケジョ」の皆さん頑張らないとですね!

 

N先生,N研の皆様ありがとうございました!

KIM

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中間貯蔵事業見学会

2022年9月1日

 

こんにちは!もんじゃです。

ちなみに,Hzくんが話題にしていたナッツボンは噛まない派です。

 

先日,飯館村で開催された中間貯蔵事業説明会に参加してきました。

 

県内ではこれまでに約1,400万m3(東京ドーム11杯分)の除去土壌が発生しています。

この大量の除去土壌の最終処分量を減らす取り組みとして飯館村長泥地区では,除去土壌の再生利用が行われています。
再生利用では,除去土壌をバルクスキャンと呼ばれる機器によって測定します。測定の結果,8,000 Bq/kg以下のものを盛土や農地に利用するという取り組みです。

 

写真右上の濃い橙色の骨組みがバルクスキャンです。

 

なんとこの機械,見た目とは裏腹に非常に高精度で測定ができるという代物です。
人は見た目に依らないとは言いますが,機械も見た目に依らないのですね。

 

現在では,長泥地区での測定が終了したため解体作業が行われています。

 

バルクスキャン見学後に,再生土壌を使用した農作物の栽培についても説明を頂きました。

 


再生土壌を利用した水田(のどかな田園風景でした)。

 

バルクスキャン見学時に遭遇した,にわか雨により服がやや湿っていたため,時折吹く風が生暖かく感じられました。

 

最後に,花卉栽培についても見学しました。

 

キキョウやバラなどの様々な花が栽培されていました。

 

作業現場や村民の方々の癒しとなっているようです。

高貝先生も癒されていた?かもしれません。

 

もんじゃ

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日本化学会「Chemistry Letters」誌にプルトニウムのICP-MS/MS分析に関する論文が掲載され、表紙に選ばれました。

2022.08.02

博士課程の松枝誠さんの研究成果が、2022年7月16日の日本化学会「Chemistry Letters」誌に論文掲載され、Editor’s choice(優秀論文)に選出され 、インサイトカバーでハイライトされるともに2022年7月号の表紙に選ばれました。

【著者/論文誌名】M. Matsueda, T. Kawakami, K. Koarai, M. Terashima, K. Fujiwara, K. Iijima, M. Furukawa, Y. Takagai*Chemistry Letters, 51, 678 (2022).

【タイトル】Using CO₂ Reactions to Achieve Mass-Spectrometric Discrimination in Simultaneous Plutonium-Isotope Speciation with Inductively Coupled Plasma–Tandem Mass Spectrometry

【DOI】https://doi.org/10.1246/cl.220160

 

【概要】プルトニウムには様々な同位体が存在します。誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)でプルトニウムを分析する際、従来は、同重体干渉(同じ質量数の同位体が複数存在すると識別できない)のため、様々なプルトニウムの同位体を同時に定量することが困難でした。今回、ICPタンデム質量分析計(ICP-MS/MS)のダイナミックリアクションセル(DRC)でCO2ガス反応を利用すると、Pu同位体(Pu-239,Pu-240,Pu-241,Pu-242,Pu-244)のm/zでAm,Cm,Uなどのアクチノイドに由来する同位体干渉から生じるバックグラウンドノイズ強度をほぼ除去することに成功しました。

 

   

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みちのく分析科学シンポジウム(@東北大学)で研究成果を発表し,フロンティアラボ賞を受賞しました。

2022年7月23日、東北大学において「みちのく分析科学シンポジウム・分離機能とセンシング機能の化学セミナー2022」が開催され、高貝研からは大学院生6名が研究成果を発表しました。

そして,岩下彩夏さんが フロンティアラボ賞(優秀ポスター賞)を受賞しました(発表21件中3件)。

 

・岩下彩夏,澤井光,佐藤稔,高貝慶隆,岩崎望,長谷川浩,”アカサンゴ骨格中色素成分の分離方法の検討”

 

・鈴木怜花、中川太一、松枝誠、高瀬つぎ子、高貝慶隆、“遊星ボールミルによって調製された金属ナノコロイド分散液の各種分析方法における評価検討”

・木村梨子,佐藤常寿、高貝慶隆,“トリチウム水のアルギン酸カルシウムゲルへの移行現象”

・齋藤文加,柳澤華代,松枝誠,尾形祐輔,高貝慶隆,“マイクロスフェアを利用した金(III)イオンの回収”

・杉本璃子、佐藤常寿、高貝慶隆,“ガスクロマトグラフィー質量分析法による水素同位体交換反応”

・ビャムバドルジアナラ、荒野真結、鈴木李英、高貝慶隆,“シングルゴールドナノ粒子の高密度集積型マイクロスフェアの開発”

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福島県立医科大学サイクロトロン見学

(2022/07/22)

みなさんこんにちは!nmです.

 

最近は大学院の入試や放射線取扱主任者試験を控えているため少し忙しいですが,8/6に公開されるワンピースの映画だけを楽しみに日々頑張っています.

ちなみに僕はウソップが好きです.

 

さて今回は,放射線取扱主任者試験の勉強を兼ねて加速器の実物を見に,福島県立医科大学に行くことになりました.

 

見てきたのはサイクロトロンです.

横からディー電極を見ることができ,より知識が定着しました.

(Dの意志を引き継いでいきましょう.)

 

加速器や医大で行われている研究について,W先生から説明をうけました.

横からW先生を見ることもでき,Hzくんはより意欲が増していました.

男の僕から見てもイケメンですね!

 

研究室の数人が研究しているアスタチンはサイクロトロンによってビスマスから生成されています.

今後もW先生にお世話になる研究室メンバーは,期待に応えるべく研究に励みたいですね.

また,今回の講習を糧に1発で放取に合格したいですね!

フロー内のパーツが綺麗に整理されていました.

僕たちのは....

 

nm

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加速器講習

2022.7.15

皆さん,こんにちは!Hzです。

最近,ナッツボンというキャンディにハマっています。

個人的には噛んだ方がおいしいのですが,中にはなめる方がいい人もいるそうです。

皆さんはどっち派ですか?

 

さて,2022年7月15日に同大の山口先生より加速器講習を行って頂きました。

加速器は一言でいうと荷電粒子を加速する装置です。

これは電子の比電荷測定器で一様な磁界中を運動する電子の動きを観察することができます。

教科書を読んだり,聞くだけでなく,実際に見ると理解がより深まりますね。

皆さんメモを取ったり,真剣な表情で聞いています。

 

山口先生の説明がとてもわかりやすかったので,さまざまな加速器のイメージが持てました。

放射線取扱主任者試験まで約1か月になりましたが,今回の講習で学んだことを活かして

試験に合格できるように頑張りたいです!

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メタロミクス(金沢)&フォーマラボEXPO(東京)への参加

二年ぶりにブログを投稿いたしますJです。

7/11-13に金沢で開催された第8回メタロミクスに関する国際会議、7/13に東京で行われたフォーマラボEXPOに参加してきました。
メタロミクスでは、生命×金属元素をテーマに様々な分野の方が参加しており、松枝さん(D3)がオンライン発表、柳澤さん(D2)が口頭発表、青木がポスター発表を行いました。
対面での発表は、M1以来であり、とても久しぶりでした。また、M1の時の発表に比べて、聴講いただいた方々とのディスカッションを楽しむことができ良かったです。

【ポスター発表する青木】

【口頭発表する柳澤さん】

発表後、先生とフォーマラボEXPOに参加する予定でしたので、金沢から東京にまっすぐ向かいました。
フォーマラボEXPOでは、医薬品研究向けの最新技術・製品が様々な企業から紹介されており、我々分析化学研究室での研究活動においても有益な技術・製品がないか情報収集を行いました。
普段使用している分析器具とは、異なる特色をもつ製品が多く様々なニーズを知るよい機会でした。(コンタミを防止した磁気浮上ポンプが魅力的でした)

【おしゃれ薬品庫】

余談ですが、紹介を受けた薬品保管庫が個人的に好きなデザインでして、近い将来、実験器具・機器をデザインで選定する時代が来るのでは…と少し思いました。
今回の出張では、学会で様々な分野の発表を聴講し、技術展で医療現場における最先端の研究成果や製品に触れました。私自身もっと頑張らなきゃなと改めて実感しました。

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The 8th International Symposium on Metallomics(ISM-8@金沢)で研究成果を発表

2022年7月11日-13日、金沢商工会議所において開催されましたThe 8th International Symposium on Metallomics(ISM-8@金沢)で博士課程の大学院生3名が研究成果を発表しました。

【口頭発表】

・K. Yanagisawa, M. Furukawa, T. Hirata, Y. Takagai, “The imaging of stable Sr isotopes and radioactive 90Sr by using laser ablation ICP-MS/MS”

【ポスター発表】

・M. Matsueda, T. Kawakami, K. Koarai, M. Terashima, K. Fujiwara, K. Iijima, M. Furukawa, Y. Takagai, “Using CO2 Reaction to Achieve Mass-Spectrometric Discrimination for Pu isotopic analysis with Inductively Coupled Plasma–Mass Spectrometry”(オンライン)

・J. Aoki, S. Wakaki, K. Suzuki, T. Miyazaki, Y. Takagai, “Quantification of trace amount of 90Sr in small size biosamples using isotope dilution–energy filtered thermal ionization mass-spectrometry: controlling the background noise from natural Sr in samples”

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研究室の日常~雨天の日~

(2022/07/13)

皆さん,こんにちは!ドルです。

最近は円安だというのに留学生の自分は高くなっている自覚がない日々が続いています。

曇った日の朝,大学からの大量に頂いた配給品の「まいたけご飯」がついにラスト一つになりました。

ラストのまいたけご飯を食べる前に記念撮影をしておきました。
慣れた味がしていて美味しく食べ終えました。

お腹も満たされ、ふと周囲をみると可愛いキャラクターのバケツに気が付きました。

このバケツは先生がキウイをまとめ買いしたみたいです。一体いくつ食べたのでしょうか?

先生、だいぶ頑張りましたね。困った時は手伝います…、

というより、食べるときに是非ドルにも声をかけて欲しかった~と思いながら駅へ出かけると大雨!

映画「Forrest Gump」の主人公ガンプの言葉「雨は下からふって来る」を思い出しました。

とてもこの写真の状況とは似ていませんが下からふる雨をみたい人はこの映画をぜひ観てみてください。

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Springer「Analytical Sciences」誌で2022年8月号のHot Article(注目論文)に選ばれました→ 「Ar-N₂混合ガスによるICP-MS分析の感度増感」

柳澤華代さん(博士後期課程2年)の研究成果が、2022年08月号のSpringer「Analytical Sciences」誌に論文が掲載されました。

2022年8月号のHot Article(注目論文)に選ばれました。

 

【著者/論文誌名】K. Yanagisawa, M. Matsueda, M. Furukawa, Y. Takagai*, Analytical Sciences, in press (2022).

【タイトル】Sensitivity enhancement in inductively coupled plasma mass spectrometry using nebulization methods via nitrogen mixed gas effect

【DOI】https://doi.org/10.1007/s44211-022-00140-4

【概要】この研究は,高周波誘導結合プラズマ質量分析計(ICP-MS)という水溶液中に含まれる微量な金属イオンを測定する分析装置の分析性能(=分析感度)を向上させ、さらに低い濃度まで測れるようにしたという論文です。その性能の向上には、アルゴンガス(Ar)と窒素ガス(N₂)を混合して、超音波ネブライザー(ultrasonic nebulizer)を介してICP-MSで計測することが効果的であること、様々な金属イオンが低濃度まで測れるようになる事を明らかにしました。その際、63元素について検証した結果、その効果には活性がある元素と活性の無い元素があることもわかり、その検出下限値、バックグランドノイズなどを調査し、どのようなメカニズムでN₂ガス混合効果が生じているのかを考察した論文になります。

We demonstrate the sensitivity enhancement in inductively coupled plasma mass spectrometry (ICP−MS) by combining  via the nitrogen mixed gas effect. We showed the effect of nitrogen gas concentration (0%–5%) in the nebulizer gas on the signal sensitivity for 63 elements using commercially available (concentric and ultrasonic) nebulizers. In addition, the limit of detection (ng L−1) was calculated in each case. Finally, we compared the sensitivity (i.e., the slope of the calibration curve), background noise intensity, and three-dimensional intensity distribution in the plasma to elucidate the effects of the concurrent use of mixed gas plasmas and nebulization methods.