日本化学会「Chemistry Letters」誌にプルトニウムのICP-MS/MS分析に関する論文が掲載され、表紙に選ばれました。

2022.08.02

博士課程の松枝誠さんの研究成果が、2022年7月16日の日本化学会「Chemistry Letters」誌に論文掲載され、Editor’s choice(優秀論文)に選出され 、インサイトカバーでハイライトされるともに2022年7月号の表紙に選ばれました。

【著者/論文誌名】M. Matsueda, T. Kawakami, K. Koarai, M. Terashima, K. Fujiwara, K. Iijima, M. Furukawa, Y. Takagai*Chemistry Letters, 51, 678 (2022).

【タイトル】Using CO₂ Reactions to Achieve Mass-Spectrometric Discrimination in Simultaneous Plutonium-Isotope Speciation with Inductively Coupled Plasma–Tandem Mass Spectrometry

【DOI】https://doi.org/10.1246/cl.220160

 

【概要】プルトニウムには様々な同位体が存在します。誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS)でプルトニウムを分析する際、従来は、同重体干渉(同じ質量数の同位体が複数存在すると識別できない)のため、様々なプルトニウムの同位体を同時に定量することが困難でした。今回、ICPタンデム質量分析計(ICP-MS/MS)のダイナミックリアクションセル(DRC)でCO2ガス反応を利用すると、Pu同位体(Pu-239,Pu-240,Pu-241,Pu-242,Pu-244)のm/zでAm,Cm,Uなどのアクチノイドに由来する同位体干渉から生じるバックグラウンドノイズ強度をほぼ除去することに成功しました。