2016年9月14‐15日,「日本分析化学会第65年会」(北海道大学)が開催されました。
若手ポスターセッションで発表された講演245件から,本研究室の遠藤新さん(M2),および,中川太一さん(M1)が若手ポスター賞に選ばれました。
遠藤さんは,イギリス化学会(RSC)より最高賞のRSC Analystポスター賞,そして,
中川君は,日本分析化学会より若手ポスター賞が贈呈されました。
色々な大学の助教の先生方や博士課程の精鋭が居並ぶ中での受賞,本当におめでとうございます。
2016年9月14‐15日,「日本分析化学会第65年会」(北海道大学)が開催されました。
若手ポスターセッションで発表された講演245件から,本研究室の遠藤新さん(M2),および,中川太一さん(M1)が若手ポスター賞に選ばれました。
遠藤さんは,イギリス化学会(RSC)より最高賞のRSC Analystポスター賞,そして,
中川君は,日本分析化学会より若手ポスター賞が贈呈されました。
色々な大学の助教の先生方や博士課程の精鋭が居並ぶ中での受賞,本当におめでとうございます。
2016年9月13日‐16日に北海道大学で開催された「日本分析化学会第65年会」において研究成果発表,ならびに,特別講演の計5件を発表しました。
(1) 温度感応性界面活性剤による金ナノ粒子のワンステップ合成・濃縮法
○遠藤 新 ・ 三浦 亮 ・ Willie L. Hinze ・ 高貝 慶隆
(2) ナノワイヤへの形状変形を伴う球形銀ナノ粒子のマイクロ抽出システム
○中川 太一 ・ Willie Hinze ・ 高貝 慶隆
(3) 表面電離型質量分析計を用いる同位体希釈-トータルエバポレーション法による極微量ストロンチウムの精密定量法の開発
○伊藤 千尋 ・ 宮崎 隆 ・ 若木 重行 ・ 鈴木 勝彦 ・ 高貝 慶隆
(4) スプリット流路を利用したオンライン固相抽出ICP-MSにおける回収率同時計測法の開発と放射性ストロンチウム90分析への応用
○古川 真・ 高貝 慶隆
(5) 【特別シンポジウム講演】 福島第一原発の汚染水対策における分析化学の挑戦
~90Srの迅速計測と要素技術の開発~
○高貝 慶隆 ・ 古川 真
アメリカ化学会「Analytical Chemistry誌」に定量と回収率の同時自動計測システムについての論文が掲載されました。
【著者/論文誌名】 M. Furukawa, Y. Takagai, Analytical Chemistry, 88(19), 9397-9402 (2016).
【DOI】 DOI: 10.1021/acs.analchem.6b03195
【概要】
オンライン固相抽出-ICPMS法は,金属イオンの超微量分析において大変有用な分析技術の一つです。この技術は,カラムと呼ばれる吸着部位(固相抽出)と高感度分析機器(ICPMS)から成り立つ自動分析システムです。 分析ターゲット(金属イオン)を選択的かつ高精度に分析することができます。
しかしながら,実際の試料には,分析したいターゲットのほかにも様々な夾雑物が含まれています。そのため,実際の分析では,その成分の影響を受けて,分析ターゲットの回収率が変化している場合があります。これまでの方法では,回収率を直接求めることができなかったため,夾雑物が多く含まれているサンプルでは,正しい定量(分析)ができているかどうかわかりませんでした。
この問題解決のために、カラムをバイパスする分岐流路(スプリットライン)を新たに設ける手法を開発しました。これにより,たった1回の試料注入で,分析ターゲットの定量分析と回収率測定を同時に測定することができます。
この方法を使用すれば,たとえ試料中に定量を妨害する成分が含まれていたとしても,回収率から定量値を補正することができます。そのほかにも,本法は、様々な応用できたことを報告しております。
イギリス王立化学会の『Chemical Communication』誌のissue 65 (4th Aug 2016)に研究成果が掲載されるとともに,当該号のバックカバーデザインに選ばれました。
【カバーデザイン】 RSCのサイトより,PDFが無料でダウンロードできます。
【概要】
金ナノ粒子(AuNP)は,様々な分野で応用されている最先端の機能性材料の一つです。しかし,AuNPは,濃度が高いと容易に凝集してしまう性質があります。したがって,高濃度の状態で,AuNPの単分散の状態を保つことは大変困難です。本研究では,温度感応性界面活性剤を用いることで,合成・濃縮・抽出のプロセスをワンステップで行い,単分散状態の高濃度のAuNPを作ることに成功しました。界面活性剤には,両性イオン界面活性剤を使用して,金イオンからワンステップで合成・濃縮・抽出し,市販のAuNP溶液の約250倍の高濃度状態を作成しました。この状態は,室温で少なくとも3ヵ月間以上,維持できることを実証しました。
2016.6.13付け,当研究室の研究成果が日本分析化学会の英文専門学術誌 『Analytical Sciences 』誌の6月号に掲載され、当該月号のHot Articles(注目論文)に選出されました。
【タイトル】“β-Cyclodextrin as a metal-anionic porphyrin complexation accelerator in aqueous media”
【概要】 ポルフィリン化合物は,分析化学に限らず,化学分野の多くで利用される機能性分子の一つです。そのなかでも水溶性ポルフィリンは,金属イオンと反応して鋭敏な色彩変化や蛍光を発行するため,センサーや分子認識素子として利用されています。ポルフィリンは分子の中心に金属イオンを受け取るスポットがありますが,加熱や超音波などの強いエネルギーを加えないと金属イオンと反応しづらいという難点がありました。これは,生体試料やナノ構造を含む試料に応用する際に,変性や凝集の原因となってしてしまうため,その分野では,ポルフィリンを使用したセンサーや分子認識ができないという問題がありました。
今回,私たちの研究では,11種の金属イオン(Ag (I), Cd (II), Co (II), Cu (II), Fe (II), Fe (III), Mn (II), Pb (II), Pd (II), Sn( II), Zn(II))とアニオン性ポルフィリンの代表格である5,10,15,20-tetraphenyl-21H,23H-porphinetetrasulfonic acid(TPPS4)が,β-シクロデキストリン(β-CD)を加えることで反応が加速される効果を見出しました。また,この反応が加速する効果を,特殊な条件ではなく,ごく日常的な常温の水溶液中で実証することができました。これまで金属ポルフィリンの錯形成反応に要求されてきた加熱や超音波照射操作が必要なくなり,より温和な条件での反応加速に成功しました。この効果は,CD-TPPS4-金属イオンの三元錯体(バイキャップ錯体)を形成することで,錯形成反応を加速させていることが分かりました。また,この効果は,β-CDでしか反応加速を見せない珍しい例であることも確認されました。この研究により,ポルフィリンの適応範囲がより広がるものと期待しています。
平成28年6月1日(水), コロラド州立大学 環境放射線保健科学学部 准教授 加藤宝光先生をお招きして,「低線量放射線の影響」についての講演が開催されました。低線量放射線の生物影響についての知見は,廃炉作業における防護や汚染地域における生物への影響評価等,福島第一原子力発電所に関連する諸課題を考える基礎として極めて重要です。本講演では,放射線による発がんのメカニズムの説明,低線量放射線でおこる生物影響,遺伝子変異が引き起こす放射線感受性など,低線量放射線の生物影響について学ぶことができました。
平成28年3月14日(月),五色沼湖沼群の青色色彩に関する研究報告が福島民友(23面),福島民報新聞(5面)に掲載されました。
平成28年3月22日(火)~23日(水)に, 同位体比計測の実習をJAMSTEC高知コア研にて行いました。
平成28年3月14日(月)~16日(水)に, 放射性ストロンチウムの分析方法に関する実習を(株)化研にて行いました。
平成28年2月27日(火)~1日(火), 文部科学省・国家課題対応型研究推進開発事業「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(廃止措置研究・人材育成等強化プログラム)」において,人材教育のための今後の打ち合わせをコロラド州立大学にて行いました。基本的な合意を元に来年度から学生や教員を派遣していきたいと考えております。
平成28年3月6日(日)~9日(水), アメリカのアトランタにて行われた国際学会Pittcon2016に参加しました。
日本では体験できない分析機器の実機とそのメカニズム,さらには,海外における計測機器のベンチャー企業の独創的な発想と実現力を体感し,また,併設されている海外の学生たちのポスターの表現力とアクティビティーを見ることにより,自らの研究に活かすことを目的としています。
平成28年3月2日(木)~6日(金), 同位体測定や放射線測定の実習を、SUREC(イギリス・グラスゴー)にて行いました。
SURECにはかつて研究用の原子炉があり,それを廃炉にした経験があるため,学ぶことが沢山ありました。SURECでは,同位体比分析に特化した研究施設があり,様々な種類の同位体比質量分析計をゆうしています。特に,高度な前処理装置や前処理の徹底した技術の水準の高さが目につきました。2日目以降は,放射線計測のグループと加速器質量分析(AMS)のグループに分かれて,実習を行いました。同位体測定や放射線測定を行う装置などの見学とその仕組みについて学びました。
平成28年2月18日(木)~19日(金), 同位体比計測、クリーンルームでの実習をJAMSTECにて行いました。
平成28年2月12日(金),2015年度の卒業研究発表会が行われました。
高貝研究室からは,3名が下記のタイトルで発表しました。
鈴木崇太 『カスケード型ICP-MSシステムを用いた試料適応性に関する性能評価』
中川太一『トリトンX-114曇点抽出による銀ナノ粒子形状変形現象の諸因子の解明』
伊藤千尋『放射性ストロンチウム定量を目的とする表面電離型質量分析計を用いる同位体希釈-トータルエバポレーション法の開発』
今までの研究成果を,堂々と発表しました。
お疲れさまでした。
【廃炉人材育成プログラム】 文部科学省・国家課題対応型研究推進開発事業「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(廃止措置研究・人材育成等強化プログラム)」
平成28年1月21日(木)に,学生を対象とする人材教育プログラム(計測技術版)として,人材育成教育(パーキンエルマージャパンスタッフによるICP-MS解体ショー)が福島大学で実施されました。
前回に引き続き,福島工業高等専門学校の学生さん達も参加しました。
解体には,福島大学で実際に使用されているICP-MSを使いました。普段は見ることができない機構細部の仕組みを見ることができるので,学生たちは食い入るように見学をしていました。時には,学生や先生方からの質問も飛びかうほどでした。とても有意義な時間となりました。
後日,平成28年2月3日(水)付けの福島民友新聞に,これらの様子が掲載されました(クリックすると開きます)。
平成28年1月14日(木)に,パーキンエルマージャパンにて、ICP-MSやシンチレーションについて学びました。
今回は,福島高専との共同開催でした。
①ICP-MSの概要
②廃炉事業におけるICP-MSの活躍と役割,計測の重要性
③放射線測定・シンチレーション法の基礎と原理
④学生発表
ICP-MSやシンチレーションについてその仕組みから測定方法など,実際のサンプルの動きのシュミレーションを含めて詳しく説明していただきました。
平成28年1月15日(金)に,環境創造センターが取り組む土壌などの放射線測定や野生生物における放射性核種の挙動及び行動予測に関する研究のお話などを聞くことができました。また,センター内を案内していただき,サンプルが入ってくるところから分析までの流れを考えた造りになっていて非常に興味深かったです。
平成27年12月16日(水)~20日(日),環太平洋国際化学会議“Pacifichem 2015”で研究成果発表を行いました。
招待講演1件,口頭発表1件,ポスター2件を発表し,タイトルは下記の通りです。
平成27年12月21日(月)に文部科学省・国家課題対応型研究推進開発事業「英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業(廃止措置研究・人材育成等強化プログラム)」において,実務者教育(ICP-MSトレーニング)をパーキンエルマージャパン(横浜市)で行ってきました。民間企業と共に実習を受ける機会は中々ないので大変良い機会となりました。
平成27年12月1日(火)~2日(水), 管理区域内のことをご指導いただいた後に,防護服を着て管理区域内に入り,管理区域に関する指導や実際の分析機器や分析業務などを見学させていただきました。
平成27年9月9(水)~11日(金)、九州大学 伊都キャンパスにて「日本分析化学会第64年会」が開催され、高貝研究室からは1名が研究成果を発表しました。