青木譲さん,柳澤華代さんの両名が2023年度 日本分析化学会東北支部奨励賞を受賞しました

高貝研究室の博士後期課程の青木譲さん,柳澤華代さんの両名が、日本分析化学会東北支部 「東北分析化学奨励賞」を受賞しました。

授賞式・受賞講演が2023年12月16日に東北大学理学部にて開催されました。

 

青木譲:  受賞題目「表面電離型質量分析法による微少試料中の極微量放射性ストロンチウム-90の直接定量法に関する研究」

柳澤華代: 受賞題目「レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法による直接定量および元素マッピングに関する研究」

 

【受賞内容】青木譲氏:  受賞題目「表面電離型質量分析法による微少試料中の極微量放射性ストロンチウム-90の直接定量法に関する研究」

放射性ストロンチウム-90(Sr-90)は、生体内の硬組織に収着して骨肉腫や白血病を引き起こす可能性があり,その分析は必要不可欠です。しかし、一般的な分析法では、数十グラム以上の試料量を必要とするため、生体試料などに含まれるSr-90を分析することは非常に難しい状況でした。青木さんは,表面電離型質量分析法を利用した微少試料に含まれる極微量なSr-90を定量できる分析システムを構築しました。
この業績は,環境動態や地球ダイナミクスの理解,核査察などの幅広い分野で有効な手段であり,将来の研究の発展も期待できるものであると評価されました。

※青木氏は,事情により当日の授賞式は欠席となりました。

 

【受賞内容】柳澤華代: 受賞題目「レーザーアブレーション誘導結合プラズマ質量分析法による直接定量および元素マッピングに関する研究」

近年,固体試料を直接レーザー照射で分析するレーザーアブレーション技術が発達しています。しかし,試料ごとに適合した固体標準物質を毎度,調製しなければならず,未知試料の分析には多くの課題がありました。柳澤さんは,独自のオンライン同位体希釈法の開発に成功し,固体標準物質を使用しない直接定量法を実現しました。これらの業績は,分析化学の発展に貢献し,将来の研究の発展も期待できるものであると評価されました。