柴田篤君、清川茂美さんの卒業研究の成果が、学術雑誌“Journal of Colloid and Interface Sciences”のShort communication(速報)に掲載が決定しました。タイトルは、“Synthesis and Evaluation of Different Thio-Modified Cellulose Resins for the Removal of Mercury(II) Ion from Highly Acidic Aqueous Solutions” です。
【概要】 有害物質である水銀イオンを除去できるセルロース樹脂を開発しました。この樹脂は、強酸性水溶中であっても利用できます。従来の金属キレート樹脂は、溶液のpHが弱酸性~弱アルカリ性の範囲でのみ作用しましたが、今回開発した樹脂は、酸性溶液を中和することなく水銀イオンのみを選択的に除去することができます。本研究では2.0mol/Lまでの強酸(塩酸、硝酸、硫酸)水溶液中でも水銀イオンを除去できます。また、14種類の金属イオン混合溶液から、水銀イオンをほぼ選択的に除去できることも報告しました。本樹脂は、工業用に使用される金属表面の洗浄液などの再生処理、環境水の再生処理など、環境エコロジカル産業の分野へ活用できます。