アメリカ化学会「Langmuir」誌に銀ナノ粒子のin situ合成法に関する論文がハイライト・掲載されました

研究成果が、2022年11月8日のアメリカ化学会「Langmuir」誌に論文掲載され、論文誌のSupplimental Coverに選ばれてハイライトされました。

高貝先生のアメリカ時代の研究と永作美有さん(修士課程修了)の研究成果によるものです。

【著者/論文誌名】Y. Takagai, M. Nagasaku, T. Nakagawa, T. Takase, W. L. Hinze, Langmuir, 38(44), 13577-13583 (2022).

【タイトル】Preparation of Highly Concentrated Uniform-Sized Silver Nanoparticles via Use of Thermoresponsive Zwitterionic Surfactants

【DOI】https://doi.org/10.1021/acs.langmuir.2c02322

【概要】この研究は、ナノ粒子の中でもよく使用される銀ナノ粒子を簡単にそして高濃度で合成する方法を開発したというものです。。

銀イオンの合成には,クエン酸塩還元法という方法がよく使われます。

しかし,このプロセスは結晶成長が遅く、粒子のサイズが揃った粒子を合成しにくいという問題がありました。

この論文では,クエン酸還元法に熱応答性の界面活性剤を加えると,高濃度で粒子サイズが揃った球状の銀ナノ粒子を合成できることを紹介しました。

合成した銀ナノ粒子は,界面活性剤の濃縮相に閉じ込めることができます。

このアプローチは、銀ナノ粒子を合成と同時に「抽出」と「濃縮」ができる「in situ相分離」を経る珍しい現象です。

直径 21.0 ± 2.5 nm の AgNPs のほぼ全量(合成収率 99.9%、抽出効率 98.6%)を pH 11の特殊な条件で相分離するとこのような現象がしょうじます。

このメカニズムや粒子の制御方法などを論文で記載しています。